西の京「やまぐち」を見守る高嶺城を歩いてみた

山口県山口市の中心部に山口県でただ1つ、続日本100名城に指定されているお城の「大内氏館・高嶺城」があります。通常アンテナ施設までは車で登ることができますが、今回は徒歩で主郭まで歩いてみたので登城の様子をご紹介いたします。

所在地山口県山口市上宇野令
城の分類山城
天守の構造不明
文化財国史跡指定
アクセス「県庁前」バス停から徒歩約70分
糸米川砂防園駐車場から徒歩約45分
スタンプ

大路ロビー
 開館時間:10時00分~17時00分
 休館日:火曜日・お盆・年末年始・臨時休業日 
 HP:http://ojilobby.sblo.jp/

山口市歴史民俗資料館
 開館時間:9時00分~17時00分(入館は16時30分まで)
 休館日:月曜日・年末年始
 HP:http://c-able.ne.jp/~yrekimin/

※休館日は、文化財保護課にスタンプが設置(8時30分~17時15分・年末年始以外)

地図

高嶺城とは

景色

歴史

標高338メートルの丘陵である鴻ノ峰にある高嶺城は、大内義長が毛利氏の侵攻に備えて1557年に築いた城です。攻め込まれ形勢が不利となり長府で自刃した大内義長に代わり毛利氏が城に入り、改修をして市川経好を城番としておきました。その後1615年徳川幕府から一国一城令が出され、1638年に廃城となりました。
頂上の主郭を中心に四方に伸びる尾根に曲輪群が広がっていて、主郭やその周辺の曲輪には石垣が巡らされ、礎石や瓦片が発見されています。

注意点

今回は木戸神社方面(糸米川砂防園)から登城したので散策上の注意点を記載しておきます。

・国道9号から木戸神社へ進む道は分かりにくいので注意してください。
車でもテレビ局のアンテナ施設までは登ることができますが、狭いのと意外に歩きの人がいるので注意してください。(軽自動車かコンパクトカーがおすすめ)
・アンテナ施設付近は車が数台しか置けません。
・トイレは糸米川砂防園で済ませておきましょう(もちろん城跡にはありません)。
・周辺に自動販売機はないのであらかじめ飲み物は準備しておきましょう。
・糸米川砂防園駐車場からアンテナ施設までは徒歩で20分~30分程度です。途中のわき道に進まないように。

実際に登城してみた

糸米川砂防園駐車場~アンテナ施設

登城道1こんな感じの道で舗装はされてますが車一台がやっと通れる道です。

 

登城道2 駐車場からアンテナ施設までは1.5kmなので、車だと10分の距離ですが、今回は歩きなので、30分程度かかります。道の幅は車1台程度、しかも離合できる場所もあまりありません。アンテナ施設に向かって右側は結構な高さですが、ガードレールや縁石はほとんどありません。写真のように側溝が落ち葉だらけなので離合の際に脱輪の危険があります。

・落ち葉、落石で路面状態はあまり良くない場所があります。
・意外と歩行者が多いです。
・途中の展望スポットを見逃さないように!

アンテナ施設~頂部郭

登城道3このアンテナ施設付近まで車で登ってくることが可能です。駐車スペースは数台なので、休日はほかの車のことも考えた駐車が必要です。(あらかじめ進行方向を下り側にしておくといいでしょう)
山口大神宮からの登城道との合流地点で、郭跡でもあります。

 

登城4アンテナ施設からは山城らしい道が続きます。基本的に写真のような遊歩道として整備されていない山道そのままという感じでゴツゴツした道なので歩きやすい靴を履きましょう。少し歩くと景色が楽しめる休憩所があります。

 

登城5歩く際にはむき出しになった根で足を取られないよう注意しましょう。おそらく浸食等で自然に階段状になったのか意外と歩きやすいです。

 

石垣1しばらく休憩所を過ぎてしばらく歩くと何か所か郭があり、なだらかな道になり山頂部に近づいた感じがしてきます。頂部郭付近には石垣が多く残っていて見どころの一つでもあります。

ここの石垣は北側と南側で造り方が異なります。石工集団の違いか造られた時期の違いが考えられますが、今は造られた時期が異なるという考えのようです。崩れている石垣はもちろん数百年経過したことが原因ですが、崩れにくい隅角が崩れているのは人為的に崩されたとされています。

石垣2こちらが北側の石垣です。豊臣大名化したあとの慶長3~5年ごろのもののようです。

 

石垣3こちらが南側の石垣です。南側の石垣には2つ特徴があり、2段構築になっている点と積石のなかに鏡石と呼ばれる巨石を使用している点です。2段構築になっているのは造られた時期に4mを超える石垣を作ることができなかったからです。鏡石を使用しているのは「石つき之もの共」という石工集団によって造られたためで、南側の石垣は毛利氏が豊臣大名化する前の古い時期に造られたものとされています。

虫に注意!

駐車場を過ぎると山道に入りますが、途端に虫が増えてきます。少しでも動きを止めると顔の周りが虫だらけになります。私はタオルを振り回して対処しましたが、写真撮影時はどうしようもありません。色々調べると、メマトイの仕業のようです。

メマトイとは?

特定の昆虫を指すのではなく,人間の眼のまわりにまとわりつく昆虫の総称で,小型のハエが多い。日本での代表的な種は,春先に森林の内外でしつこく眼にまとわりつくクロメマトイCryptochaetumgrandicorne(カイガラヤドリバエ科),同じく森林内に多いマダラメマトイAmiotavariegata(ショウジョウバエ科)の2種である。眼に飛来するのは涙をなめるためといわれている。マダラメマトイは,イヌの眼に寄生するセンチュウ(線虫)の一種トウヨウガンチュウ(東洋眼虫)Thelaziacallipaedaの媒介者である。

引用:世界大百科事典 第2版

今回の登城で邪魔をしてたのは多分こいつでしょう!次回登城するときは対処法を用意しておかねば!

まとめ

今回は続日本100名城として山口県で1件登録されている高嶺城を訪れましたが、登録名は「大内氏館・高嶺城」なので、大内氏館を訪れるべきでしたが行けませんでした。
他にも瑠璃光寺などみどころいっぱいの山口をぜひ訪れてみてはどうでしょう。